酸洗いのメリット・デメリット
仕上げに役立つ酸洗いの技術の紹介
酸洗いとは金属が酸性の液体に溶けるという性質を使っていろいろな仕上げ加工を目的に利用されています。具体的には、角を丸めることで加工後のバリを除去したり、ミクロン単位での寸法を最終調整したり、表面粗さをよくすることなどがあげられます。精密部品に適用することで高精度な寸法の実現に貢献します。付加価値として酸性の液体が表面に付着することで防錆効果を得ることができます。また、酸性の液体につけるだけというシンプルな工程により、大量生産に向きます。大型のものや機械や手が入らないところでも液体が侵入していきますので簡単に仕上げ加工をすることができます。設備の構造もシンプルなため、ランニングコストが安いです。

酸洗い技術の留意点について
ミクロンオーダーでの変化しかありませんので前加工の品質を安定させなければなりません。仕上げることが可能なバリの大きさや寸法や表面粗さを作りこむ必要があります。そのためには最適な酸性液体と処理時間を試行錯誤で決めなければなりませんので手間がかかります。つぎに、安全です。酸性の液体は皮膚に触れることでやけどの症状が出たり、くさい臭気がありますので気分を害することがあります。保護具着用の徹底や換気設備が必要となり管理面が重要になります。最後に、環境面で酸性液体の処分は自治体のルールに従って行う必要があります。河川や排水溝に流出させると水質汚染になり環境事故を引き起こします。流出しない仕組みと設備面での対応が重要です。
傷をつけず丁寧に塗装剥離を行う方法として、研磨材を吹き付けて表面の塗装や付着物を落とすものがあります。